第2節 不思議なつながり(212) 1.人びとの苦しみには原因があり、人びとのさとりには道があるように、すべてのものは、みな縁(条件)によって生まれ、縁によって滅びる。 雨の降るのも、風の吹くのも、花の咲くのも、葉の散るのもすべて縁によって生じ、縁によって滅びるのである。 この身は父母を縁として生まれ、食物によって維持され、また、この心も経験と知識とによって育ったものである。 だから、この身も、この心も、縁によって成り立ち、縁によって変わるといわなければならない。 網の目が、互いにつながりあって網を作っているように、 すべてのものは、つながりあってできている。 一つの網の目が、それだけで網の目であると考えるならば大きな誤りである。 網の目は、ほかの網の目とかかわりあって、一つの網の目といわれる。網の目は、それぞれ、ほかの網が成り立つために役立っている。 2.花は咲く縁が集まって咲き、葉は散る縁が集まって散る。ひとり咲き、ひとり散るのではない。 縁によって咲き、縁によって散るのであるから、どんなものも、みなうつり変わる。ひとりで存在するものも、常にとどまるものもない。 すべてのものが、縁によって生じ、縁によって滅びるのは永遠不変の道理である。だから、移り変わり、常にとどまらないということは、天地の間に動くことのないまことの道理であり、これだけは永久に変わらない。 |
当ページの典拠→ 1.2.勝鬘経(しょうまんぎょう)@Page→ 十大受 三大願 |