気管内送管(tracheal intubation) -Wiki
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tracheal_intubation.html (参考「救急治療ハンドブック」大塚敏文 水色「フジサワ」)

【体位を確保する】【器具を理解し、適切な注意を払う】

気管内チューブ-Wiki   endotracheal tube

成人の気道確保には長さ約30cm、内径7.0mm(女性用)または8.0mm(男性用)のもの

スタイレット (stylet)-Wiki
気管内チューブに挿入し形を安定させ、気管挿入をスムーズにする器具。

スタイレットの先端がチューブの先端より先に出ていると、気管損傷のおそれがあるため、
スタイレット先端は原則として気管内チューブ内にとどめておくほうがよい。 

喉頭鏡(laryngoscope)
喉頭展開時に使用される。現在では光ファイバーで喉頭部をディスプレイで確認できるタイプも存在する。
マッキントッシュ型がもっとも一般的である。大きさにより,1〜4号まである。

(以下、-Wikiの記述を中心に)

【1】器具の準備
気管内チューブの先端バルーンにシリンジで空気を送り、漏れがないか確認する。
必要に応じてスタイレットを挿入し形状を整えておく。また、喉頭鏡のライトが点灯することを確かめる。
その他、吸引器を含む必要な器具を準備しておく。

【2】マスク換気
バッグバルブマスク(Bag valve mask)に100%酸素を送気し十分な換気を行う。
これにより、挿管操作中の無換気状態でも数分間は低酸素状態を予防できる。
ただし食後等で胃に内容物がある状態(full stomach)の患者に施行する場合はマスクによる換気は行わず、
別の介助者に輪状軟骨圧迫(cricoid pressure)を行ってもらい食道閉鎖を行ってもらう。
(ガイドライン2010では、輪状軟骨圧迫は行わないこととされている。)

【3】口腔内をcheck
開口させ、口腔内に異物等がないことを確認し、あれば取り除く。

【4】喉頭展開
「口 − 声門の間が、できるだけ直線に保たれることを目標とする。」

「頭部と頸部を伸展し、これを肩よりも高い位置にする。
そのために頭の下に枕を敷く」

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頭頸位は頭を枕の上において後屈(進展)させた状態にする。この頭頸部の姿勢が
空気を吸い込んでいるときの姿勢に似ているので、スニッフィングポジション
(スニッフィング位・嗅ぐ姿勢)と呼ばれる。口から声門までが一直線に近づくので、
気管挿管およびフェイスマスクを用いた換気の際には最適とされている。


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喉頭鏡を左手で持ち、右口角よりブレードを挿入。舌を左側に圧排する。

これで右口腔を直視できるようになる。

ブレードを舌の表面に沿って進め、喉頭蓋の先端が見える程度にブレードを持ち上げる。

喉頭蓋を引っかけず、その付着部の舌根を挙上すると声門が確認できる。

充分な喉頭展開ができたら、気管内チューブを右口角から声門に向け挿入する。

チューブの先端を挿入したら、直視下で 3〜5 cm 推し進める。

直視下でこの操作を行う限り、食道にチューブが入ることはない。

深くチューブを挿入しすぎると片肺挿管となるので注意が必要。

【5】挿管したら直ちにスタイレットを抜去し、先端バルーンにシリンジで空気を送り固定する。

【6】換気の確認
チューブに送気しながら聴診器にて両肺・胃を聴診し換気音を確認する。
片方の肺でのみ換気音が聴取された場合、片肺挿管になっていることが考えられ、
胃にゴボゴボという音が聴取された場合、気管ではなく食道に挿管されていることが考えられる。

チューブの位置は手術時の体位変換等により変わってしまうことがあるため再確認することが望ましい。

【7】チューブの固定
挿入長を調整し、テープ等にて口角に固定する。

【正しく気管挿管されたことの確認】

胸郭が上下する。両胸部の聴診で呼吸音が聴取できる。
上腹部の聴診では呼吸音が聴取できない。呼気時に気管内チューブの内面が曇る。
胸部を圧迫すると空気が気管内チューブから出てくる。
頚部に指を置きながら気管内チューブのカフを膨らませると、カフの膨らみを経皮的に感じることができる。
気管内チューブに20〜50 ml の注射器を接続し陽圧をかけると、抵抗なく空気が戻ってくる。
呼気二酸化炭素濃度が連続的に検出されている。

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気管挿管ー準備 / 監修 東京労災病院 

【1】「ねじ子」のページが秀越 その画像

>カフの圧は15 cm H2O 以下=大体耳たぶの硬さにする。(ねじ子 )

【2】【確実な挿管のコツ】

頭部後屈というよりは、 むしろ患者がうつむくぐらいに
頭を持ち上げたほうが喉頭展開はうまく行く。(図5の右)

患者の首の下に枕を入れてやると、喉頭と咽頭の軸が一致する。(図7)

マッキントッシュの力の入れかたは、図11のようにグリップの方向にまっすぐかける。

挿入の深さは気管チューブカフが声帯を2cm越える位置、
あるいは成人男性は門歯で21〜24cm、女性は19〜22cmを目安とする。
(男性 22.5 cm +- 1.5 cm。女性は1割減。) 22 cm

麻酔科医の視点で見た挿管 -解説

頭で理解し身体で覚える 気管挿管トレーニング

麻酔科医自身に意識下挿管

気管チューブの固定(上顎に固定)

♂8.0-9.0  ♀7.0-8.0

気管内チューブの黒ラインより遠位にキシロカインゼリーを塗る。

【3】
sniffing positionにする。左手で開口して、右示指と母指をできるだけ
臼歯の奥に入れる。右示指で上顎を頭側に上げつつ母指で下顎を尾側へ
押し開口する(closs finger)。
喉頭鏡を右側に斜めに挿入して舌を左へ圧排する。口唇を、
喉頭鏡と歯の間に挟んで損傷しないように注意。
喉頭展開して声門を確認したら、自分の視野を遮らない様に、右側からtubeを挿入。
右口角を助手に牽引してもらって視野を作っても良い。声門を通過したら
スタイレットを抜去。チューフ゛を左手に持ち替える。深さが変わらないように、
指を口角に、小指球は左頬部に乗せておく。胸部の挙上、呼気でtubeが
曇るのを確認。五点聴診。CO2の検出を確認。テープ固定。

Laryngoscopic Trachea vs Esophagus



【4】治療指針「気管送管法」から
【準備】吸引器、バッグ・バルブ・マスク、
喉頭鏡(マッキントシュの3か4)、
スタイレット(先端がtubeから出ないように注意)、
キシロカインゼリー、バイトブロック、
カフ用注射器
成人男性 内径 8.0〜9.0 mm。経口 24 cm +- 2 cm。
「喉頭蓋が反転」とは?→(5)

(1)頭部に10 cm枕。頭を高くする。sniffing posiotion。
(2)まず十分な酸素化
(3)指交叉法で開口
(4)喉頭鏡を点灯し左手で持ち、喉頭鏡ブレードを右口角から挿入。
舌を左側に圧排しながら、ブレードを舌根部に向けて進め、喉頭蓋を確認。
(5)ブレードの先端を喉頭蓋谷まで挿入し、喉頭鏡を前上方に押し上げると、
間接的に喉頭蓋が引き上げられて声門が見える。
(6)tubeを介助者から受け取り(声門から目を離さない)、
右口角から視野を遮らないようにしながら、tubeを声門下へ進める。
(7)スタイレットを抜去する。
(8)カフが声門を超えるのを確認する。
(9)喉頭鏡を取り出す。
(10)カフを膨らませる。
(11)tubeをバッグ・バルブ・マスクにつなげ、数回換気。
(12)tubeの曇り、胸の拳上、聴診(心窩部、両前胸部と腋窩部)
(13)片肺送管を否定後、tubeを固定。X-P。


用語「喉頭展開」-YouTube

喉頭鏡の基本はわずかである。
>頭を上げること、喉頭蓋の根元に喉頭鏡の先を進めること、
>手首を返すことなく向こう側に喉頭鏡を押しやることである。

喉頭鏡の根本を前上方に持ち上げる。

「喉頭鏡は面で押す」 喉頭鏡を持つ手