【NSAIDs】
癌が浸潤した組織や骨などの周囲に強い炎症と浮腫。
→その結果プロスタグランディン(発痛物質)が生じる。NSAIDsはこれをブロック。

NSAIDsには有効限界が存在するので、最大投与量を超えて処方してはいけない。
原則として、複数のNSAIDsを併用してはならない。
副作用---腎機能障害、肝機能障害、出血傾向、胃腸障害
骨転移以外に、癌性リンパ管炎、皮膚転移、胸膜・腹膜への浸潤による痛みにも有効。

ロピオン Ropion(注) =フルルビプロフェンアキセチル Flurbiprofen axetil
内服できず、また坐剤も使用し難いとき。
i.v.後、5分で最高血中濃度(T max)。 T 1/2 = 3.5〜5.5 hr。
輸液ルートの側管からゆっくりi.v.するか、生食50 mlに溶解してゆっくりd.i.v。
脂肪乳剤なのでIVHではフィルターの目詰まりに注意。


(メモ)
アセトアミノフェン (カロナール Calonal(20%)、アンヒバ坐剤 Anhiba ) アニリン系
抗炎症作用がないため胃粘膜障害がない。血小板にも影響しない。
大量では肝毒性。NSAIDsとは作用機序が異なるので併用可。
1回 200 〜500 mg。1日極量1500 mg。

【弱オピオイド】
リン酸コデイン、オキシコドン

リン酸コデイン
体内で吸収されると肝臓で代謝されモルヒネに変換される。
肺癌、肺転移のある患者での鎮咳作用を期待して使用する場合も。
1日20〜40 mg。1日3〜4回。
投与の調節がしやすい。天井効果がある。
副作用;悪心、便秘。

オキシコドン(3種)
徐放; オキシコンチン
速放; オキノーム
注射; パビナール

経口投与においてモルヒネとは異なり、オキシコドンの70%が肝臓で代謝されず、そのまま利用される。
効果はモルヒネの1.5倍。

(1)オキシコンチン
徐放のmechanism; 2相性。1st peak; 40-60 min。2nd peak; 6 hr。
持続時間12 hr。主な代謝物であるノルオキシコドンには薬理活性がないので、
腎機能障害患者や高齢者にも使用しやすい。
眠気や譫妄の頻度がモルヒネよりも少ない。
1日10 mgからの投与が可能。 

(2)オキシノーム (2.5 mg/包と5 mg/包)
オキシコドンの速放性散剤。突出痛へのレスキューに使用。
1日定期使用量の5〜15%程度。
吸収は12分語。1.5〜2時間でMaxに達し6時間効果が持続。

【強オピオイド】
モルヒネ製剤、オキシコドン製剤、フェンタニル製剤

パシーフ(R)
塩酸モルヒネの速放成分:徐放成分=1:4
速放成分が15分〜30分後に効果発現し、持続時間は24時間→1日1回内服
レスキューには塩酸モルヒネ製剤を使用

アンペック坐剤(R)
力価は内服の2倍。約30分で吸収が開始され、約90分語にMax。
効果持続は約8時間
最高血中濃度が高いので夜間の使用に向く。
ストーマからの投与は勧められない。