●【NSAIDs】● 癌が浸潤した組織や骨などの周囲に強い炎症と浮腫。 →その結果プロスタグランディン(発痛物質)が生じる。NSAIDsはこれをブロック。 NSAIDsには有効限界が存在するので、最大投与量を超えて処方してはいけない。 原則として、複数のNSAIDsを併用してはならない。 副作用---腎機能障害、肝機能障害、出血傾向、胃腸障害 骨転移以外に、癌性リンパ管炎、皮膚転移、胸膜・腹膜への浸潤による痛みにも有効。 ★ロピオン Ropion(注) =フルルビプロフェンアキセチル Flurbiprofen axetil 内服できず、また坐剤も使用し難いとき。 i.v.後、5分で最高血中濃度(T max)。 T 1/2 = 3.5〜5.5 hr。 輸液ルートの側管からゆっくりi.v.するか、生食50 mlに溶解してゆっくりd.i.v。 脂肪乳剤なのでIVHではフィルターの目詰まりに注意。 (メモ) アセトアミノフェン (カロナール Calonal(20%)、アンヒバ坐剤 Anhiba ) アニリン系 抗炎症作用がないため胃粘膜障害がない。血小板にも影響しない。 大量では肝毒性。NSAIDsとは作用機序が異なるので併用可。 1回 200 〜500 mg。1日極量1500 mg。 ●【弱オピオイド】● リン酸コデイン、オキシコドン ●リン酸コデイン 体内で吸収されると肝臓で代謝されモルヒネに変換される。 肺癌、肺転移のある患者での鎮咳作用を期待して使用する場合も。 1日20〜40 mg。1日3〜4回。 投与の調節がしやすい。天井効果がある。 副作用;悪心、便秘。 ●オキシコドン(3種) 徐放; オキシコンチン 速放; オキノーム 注射; パビナール 経口投与においてモルヒネとは異なり、オキシコドンの70%が肝臓で代謝されず、そのまま利用される。 効果はモルヒネの1.5倍。 ●(1)オキシコンチン 徐放のmechanism; 2相性。1st peak; 40-60 min。2nd peak; 6 hr。 持続時間12 hr。主な代謝物であるノルオキシコドンには薬理活性がないので、 腎機能障害患者や高齢者にも使用しやすい。 眠気や譫妄の頻度がモルヒネよりも少ない。 1日10 mgからの投与が可能。 ●(2)オキシノーム (2.5 mg/包と5 mg/包) オキシコドンの速放性散剤。突出痛へのレスキューに使用。 1日定期使用量の5〜15%程度。 吸収は12分語。1.5〜2時間でMaxに達し6時間効果が持続。 ●【強オピオイド】● モルヒネ製剤、オキシコドン製剤、フェンタニル製剤 ●パシーフ(R) 塩酸モルヒネの速放成分:徐放成分=1:4 速放成分が15分〜30分後に効果発現し、持続時間は24時間→1日1回内服 レスキューには塩酸モルヒネ製剤を使用 ●アンペック坐剤(R) 力価は内服の2倍。約30分で吸収が開始され、約90分語にMax。 効果持続は約8時間 最高血中濃度が高いので夜間の使用に向く。 ストーマからの投与は勧められない。